isk concept アレルギーの原因

アレルギー対策には、自然・健康に優しい素材(塗料)を利用しましょう。

アレルギーとは体に入ってきた異物を排除しようとする免疫反応です。
免疫反応が過剰に働き、自分自身の器官や組織を壊すなどの症状を引き起こす免疫の異常反応をアレルギーといいます。

室内において発生するダニやカビはアレルギーの原因物質になりやすいものとして知られています。
ダニやカビの発生は室内環境の影響を受けます。

自然素材の機能を上手に使ってアレルギー対策しましょう。

ダニ

この10年で日本の家の中に住むダニの種類が大きく変わっています。
住宅の高気密化・高断熱化と藁の畳が減っているのが大きな理由です。

以前はツメダニやイエダニなど、なじみのあるダニだけでも30~40種類はいましたが、その中で今も変わらず家庭で見かけるのは主にチリダニです。

【ダニによる被害】
~家屋内に発生しやすいダニとそれらによって起こる可能性のある被害~

ダニの種類 被害
ヒョウダニ類(チリダニ科) 喘息、鼻炎、眼アレルギー、アトピー性湿疹
ツメダニ類 刺咬症
コナダニ類、ニクダニ類 不快感

【ダニの発生しやすい条件と対策】
■餌・・・カビ、ダニの死骸、フケ・アカ、食品のくずなど 

対策 こまめに掃除・洗濯する
おすすめ商品 フローリングや家具の拭き掃除にはリボスワックスクリーナーグラノス

■温度・・・温度20~30℃ 

対策 夏の高温対策には室内の温度上昇を緩やかにしてくれる断熱材も有効です。
温度・湿度の調節を助ける機能もあります。
おすすめ商品 麻の断熱材フラックスハウス

■湿気・・・湿度60~80%

対策 よく換気して湿気を室内にためないようにしましょう。
木材、塗り壁の吸放湿機能を利用して室内の湿度調節を。
おすすめ商品 木材の塗装には人と環境にやさしいリボス自然健康塗料、塗り壁はスイスウォールなどを使用して。

繁殖場所

チリダニは、ふとん、畳、じゅうたん、ぬいぐるみなどに繁殖する。

チリダニは、高温多湿で、隠れやすく、えさに恵まれた環境に繁殖します。えさは人間や動物の垢やフケ。カビの胞子も好んで食べます。ですから、この条件のそろった場所は、念入りに掃除することを心がけましょう。 ダニの撃退で常に意識が必要なのは、ダニだけでなく、その排泄物も除去しなくてはならないということ。

チリダニの害は、その死骸や糞が アレルゲン(*1)となること。気管支喘息などを引き起こします。また、ダニの体が約 0.3mmに対し糞は0.04mmくらいで、さらに細かく砕けて気管支、肺胞内に侵入しやすいので、ダニの除去だけではなく、その500倍以上散らばっていると考えられる糞の除去も大切。水溶性なので洗うのが一番です。

*1・・・アレルゲンのこと

アレルギーを引き起こす原因となる物質を「アレルゲン」といいます。家の中に散在しているアレルゲンは意外に多く、ダニ(生体、死がい、抜け殻、フン)やカビ、花粉、ハウスダスト、ペット(毛、フケ等)、羊毛、絹、ソバガラ、消臭剤、ヘアスプレー等など、その種類は数えきれないくらいです。アレルギーの症状で悩まない為にも、こまめなお掃除と計画的な換気で、住まい中のアレルゲンを減らすことが大切です。

人の体内に侵入してきた異物に対し、これを撃退しようとする自己防衛本能が働き、異物と特別な反応を示す抗体という物質をつくります。ふつう、自己防衛本能は体の害になるバイ菌やウイルスに対してだけ働くものですが、アレルギー体質の人は、ダニやハウスダスト、花粉、時には日常の食べ物にも過敏に反応し、体内にアレルギー抗体(I・E)を作ってしまいます。これが喘息、アトピー性皮膚炎、鼻炎、結膜炎、腸の炎症など、さまざまなアレルギーの症状となってあらわれるのです。

ふとん

まず、洗えるものなら洗ってしまうのが一番。

特にダニの糞は水溶性なので、洗うことでほとんどが除去できる。風呂場での踏み洗いが効果的。洗えないものは、ダニの活動を抑えるために湿気をとることが大切。充分に湿気をとる干し方は、

「イスなどを使い、ふとんをM字形に干すと表側以外にも風が通り効率的です」

干している最中にパンパンとホコリをはたくのには注意が必要。ダニの糞などが叩き出され、ダニも死ぬが、ふとんの中のダニの死骸や糞が表面に出てきて、そのまま寝ると、それを大量に吸うことに。叩くだけでは逆効果。取り込んだあとは入念に掃除機をかけよう。

「使い古しのストッキングを掃除のヘッドにかぶせると、ふとんを吸い込まずに掃除できますよ」

たたみ

現在では畳の芯材が「わら」でなくなったため、昔ほどダニが繁殖しなくなったが、それでも、中に充分な湿度を持ち、隠れることが出来る畳はダニの格好の生息場所となっている。しかも、

「昔は気密性の低い家屋だったので冬には湿度が下がり、ダニの数が減るという年間のサイクルが繰り返されていましたが、最近は家屋の気密性が高くなり、冬 にも加湿器を使うので家屋内の湿度が年中、下がらなくなってしまい、それが結果的に夏のダニの大増殖を許す原因となっています」

入念な掃除と拭き掃除が必須。

「とにかく1mを5秒くらいかけて進むぐらいの速度で掃除機を徹底的にかける。殺菌するために酢が入ったお湯で雑巾を固く絞って拭くとよいでしょう。あとは、とにかく風通しを良くしておくことが大切」

流しの下

頻繁に水を使う流しの下は湿気がたまりやすく、しかも、ダニのえさとなる食べかすや、袋の口が開いたままの使いかけのパスタなどの麺類、米びつにある米といった食品があると、食物につくニクダニが発生することがたまにある。

これを防ぐ為には、食品をすべて取り出し、賞味期限の近いものは早く片付けると同時に、保存する食品を必要 なものだけに絞ることが大切。そしてものを少なくして風通しを良くすると同時に、使いかけのパスタでもダニが侵入できないように、ふたの付いた専用の容器 に入れ、しっかりと密閉しておく。

また、防虫・防カビシートを敷いておくのも、防虫効果だけでなくダニのえさとなるカビの発生を防ぎ、ダニの繁殖を効果的に抑えることができる。

じゅうたん

現在いちばんダニの温床となりやすいのがじゅうたん。

長い毛足のものは特にホコリ、食べかすなどが残りやすく、ダニの格好のえさとなる。しかもウールなどの天然素材を使ったものは、その繊維内に湿度を持ちやすいので、なおさらダニにとっては繁殖の好条件がそろってしまうことになる。

「ダニ対策という面では、できればじゅうたんは避け、フローリングにするのが非常に効果的だが、やむをえない場合は化学繊維を使った毛足の短いじゅうたんを選ぶといいでしょう。畳と同じように、しっかりと掃除機をかけてください」

家具と壁のすきま

家具と壁のすきまにわたボコリがいっぱい、そんな状態ではカビの温床となり、それをえさとしてダニが発生すること にもなりかねない。まずは家具と壁のすきまにたまっているホコリを徹底的にとってしまうことが先決。そのあと拭き掃除、カビが生えていたら、アルコール消 毒をする。そして、空気が流れるように壁とのあいだに5cmくらいのすきまをとるようにしておけば、ホコリもたまりにくい。

「すきまに入るように掃除機のすきまノズルにホースをつけ、こまめに掃除を」

ぬいぐるみ

手垢などで汚れたぬいぐるみにはダニがつきやすい。子供が遊ぶものだから、しっかりとダニを除去したい。普通のぬいぐるみの場合は洗えるものなら洗ってしまいたい。しかし、

「ぬいぐるみは中までしっかり乾かさないと逆にダニの繁殖を手伝ってしまうことに。真夏の日差しの下に置いて天日干ししても丸 2 日で乾くかどうかというところ。天日干しで乾燥させるにとどめましょう」

そのあと、子供の肌に直接つくものだから洗剤液を使っての拭き掃除は避け、櫛、ブラシなどで毛並みの間によ く風を通すように。あとは表面に残っているダニや糞、ハウスダストをできる限り除去するために、掃除機を使って表面を入念に掃除し、消毒用エタノールで殺 菌しておくようにする。

カビ

目に見えにくいだけで、私たちは普段から数十種類ものカビとともに暮らしているます。
カビによる人間への害は主に二つあります。

【カビが吐く毒素による中毒】
カビ毒と呼ばれています。倉庫で長く保管されていた食品にカビが生え、毒素を吐き、それを食べることで中毒になるわけです。ただ、今の日本の食品はきちんと検査をしているので、こうした中毒はめったに耳にしません。もちろん目に見えるほどカビの生えた食べ物は危険ですが、輸入穀物に気をつければ問題ありません。

気候が穏やかな日本のカビは、外国と比べて毒性も強くはないといわれています。

【カビそのものを吸い込むことで起こるアレルギー】
アレルギー性の気管支炎や皮膚炎、鼻炎や肺炎に注意が必要です。カビが生えた状態をそのままにして繁殖させてしまうと、胞子が舞い、呼吸器に入ってしまいます。カビが発生するような高温多湿を避けるためにも換気を心がけ、カビに気づいたら拭き取るようにします。

    カビの名前



































備考
 
















アルテルナリア 黒色真菌のひとつで、湿度のある場所に好んで生息する好湿性のカビ。植物病原菌で農作物に被害をおよぼす。
  クラドフィアロフォーラ 黒色真菌のひとつで、好湿性であるが生息範囲は広く、部屋中、いたるところで見られる代表的なカビのひとつ。










アスペルギルス 俗にコウジカビ、クロコウジカビと呼ばれる種。中湿性、好乾性の種があり、数種は人に感染する。味噌や醤油を作り出す重要なカビが含まれるいっぽう、カビ毒を産生する種も数種ある。生息範囲は広く、土壌中にも多い。
ペニシリウム 俗にアオカビといわれるカビで、ある程度の湿度を好む中湿性の主を湿度を好む好湿性の種がある。ペニシリウム・ビリディカータムなど、カビ毒を産生する種もあるが稀。生息範囲は広く、土壌中にも多い。
  フサリウム 好湿性。植物病原菌で農作物に被害をおよぼす。人に感染する種もある。カビ毒を産生す種もいる。
  ユーロチウム 有性生殖をするアスペルギルスの完全世代のひとつ。好乾性のカビで、かつお節の製造にも利用される。
    エクソフィアラ 黒色真菌のひとつで、湿度のある場所を好む好湿性のカビ。 人に感染する種もある。

◎…好んで生息、繁殖する。 ○…条件が整えば生息、繁殖する。 △…あまり生息しない。
注)カビの生息場所は同じ属の中でも分布の広がりがあり、一概には言えないが、おおよその分布を表にするとこのような表になる。

カビ対策で家族の健康を守るスイス漆喰のページはこちら>>

結露

窓に水滴がつくことのように内装の表面につくものを表面結露、建物を構成している材料の中で発生するものを内部結露と言います。

断熱材を使用すると内部結露の防止に役立ちますが、かえって内部結露を発生させてしまう原因となることがあります。そこで自然素材の断熱材に注目しましょう。

麻の断熱材フラックスハウスなら断熱効果と調湿機能を持っているので結露対策におすすめです。

床材、壁材も調湿効果のあるものを選ぶと良いでしょう。無垢の木の調湿機能を妨げず、撥水効果も高いリボス塗料カルデット。調湿効果の高いスイス氷河粘土塗材スイスロームなどを組み合わせて使用すると効果的です。

台所

台所、特に排水管のある流しの下は湿気がこもりやすくカビが生えやすい場所

カビが生える前に、一度、入っているものをすべて取り出し、掃除する。カビを発見したら拭き取り、エタノー ルで消毒。固く絞った雑巾でお湯拭き。その後、流しのした全体にエタノールをスプレーして殺菌するとさらによい。防カビシートや流し専用防カビ剤を置き、 中に風が通りやすいようにすきまをあけて、ものを収納してゆく。

時間のあるときには扉を開けて扇風機で風を送り込むなどすると、いっそうカビの発生を防ぐことができる。

ふとん・ベッド

人は寝ている間に多量の汗をかく。その汗はふとんに吸収され、そのままではカビの温床に。

「特に万年床では、ふとんの表は乾いても裏側に移った湿気は残ったまま。布団の場合は上げ下ろしするだけでも違うので毎日ふとんはたたみ、まめに干すと効果的です」

ベッドの場合、ベッドの隅にホコリがたまるとそれがカビの栄養分になるので、しっかりホコリを取るようにし、マットレスが水分を吸い込んでしまうので、マットレスもたまには天日干しをするとよい。

お風呂場

お風呂場のカビ自体はカビ取り剤や消毒用エタノールで殺菌できるが、目地やゴムに食い込んだ色素までは落ちない。

漂白剤を規定の2、3倍に薄め、2時間くらい湿布してみてください。
それでも取れない場合もあるほどカビはしぶとい。

お風呂を使う前に、石鹸が飛び散り、水が流れる場所を見ておく。使用後はそこ中心にブラシで軽くこすり、カ ビが生えやすい場所を中心に水分を拭き取っておく。あとは使用後、空気がうまく流れるように窓と扉を開けて、換気扇を1時間くらい。これだけで、お風呂場 の湿度が抑えられ、年中カビ知らずです。

エアコン

空気中にはたくさんのカビの胞子が舞っているのでエアコンのフィルターにもカビが吸い込まれる。ほうっておくとカビを室内にまき散らしかねない。

「フィルターを取り出し、新聞紙の上で掃除機をかけると新聞紙と掃除のヘッドに挟まれて、しっかりとホコリ がとれる。そのあと、中性洗剤の溶液を歯ブラシにつけフィルターをこすり、残った汚れもしっかり落とす。使用する前にしっかり乾燥させ、できれば、本体に ついた汚れも拭き取る。黒いものの正体は大体カビであることが多いんです」

長年、使っているものは中にカビが発生していることも。掃除をしてもカビ臭さがとれない場合は、専門の業者に頼んで掃除してもらうのも一つの方法だ。

じゅうたん

水虫は皮膚の角質につくカビだが、原因は汚れたじゅうたんにあることがある。水虫の人が歩いてカビをばらまき、ほかの人の角質に水虫の原因である白癬菌が付着し、水虫となる。

まずは掃除機を徹底的にかけること。1mを5秒くらいのスピードでゆっくりと、丁寧にかけてください。
特にホコリのたまりやすい家具の裏なども丁寧に。

その後、お湯で絞った雑巾で拭き掃除、消毒エタノールで湿らせた雑巾で拭いておく。大変ですが、一度やっておくとカビ退治に非常に効果的です。一度にすべての場所をやろうとするのではなく、いくつかの場所を区切って少しずつ掃除するようにしましょう。

押し入れ

押し入れのカビの原因は、詰め込みすぎの空気のよどみと、それによる 結露(*1) 、そして、カビの栄養源となるわたボコリです

梅雨の季節の前に一度すべてのものを出し、お湯で拭き掃除。消毒のようエタノールを吹き付けておくと防カビに効果がある。そして、中に湿気がこもらないようにすきまをあけての収納を。下にすきまが3cm以上ある、すのこを敷くのも効果的。

ふすまの両端を開けての換気も重要です。

空気の流れが妨げられないようにすることがポイントだ。

*1・・・押し入れだけでなく窓の結露にも注意したい。

カビ・ダニの発生を抑える最適な湿度範囲は、40~60%です。また、生理学的に人が過ごしやすいとされる湿度は40~70%と言われています。室内の湿度調節は、人が健康で快適に暮らしていくために欠かすことができない。

冷蔵庫

カビのついた食品を食べてしまうと、カビ毒により中毒症状を起こすことになりかねない。

冷蔵庫は食品の一時的な保管庫だと認識を徹底し、食品はなるべく早く消費すること。手入れ法としては、一 度、物を取り出し、庫内を拭きあげる。ゴムパッキンなどカビが生えているときは消毒用のエタノールを吹き付け、歯ブラシでこすり、カビを落とす。最後に庫 内に消毒用のエタノールを吹き付けておきましょう。

また庫内でも温度に差があるので、食品を保存温度別に分類して収納しておく。エタノールを庫内にスプレーするだけでも殺菌に効果があるので、ある程度、時間が経ったら、中の食品が密閉してある状態なら、このまま吹き付けてもよい。

Chic house シックハウスとは

シックハウスの恐怖、健康にやさしい素材を使いましょう。ダニとカビの完全撃退作戦。

シックハウス症候群は、「新築病」ともいわれるように、特に新築や増改築の直後に症状を訴える人が多いのが特徴です。これは多くの建材に含まれるホルムアルデヒドやVOC( 揮発性有機化合物)が原因。小さなお子様やお年寄りにとっては、慢性的なアレルギーや喘息を引き起こす恐れのある、とっても怖い有害物質なのです。

~その症状は家が原因かもしれません。~

めまいや頭痛がひどい、肩こり、筋肉痛がある、眠れない、耳鳴りや動悸がする、のどが痛い、鼻水がで・・・。家にいるとこれらの症状が慢性的に続き、旅行などで家を離れると症状がなくなる、あるいは軽くなる人は、有害化学物質などによる室内空気汚染が引き起こすシックハウス症候群の可能性があります。

これらの人の多くは、新築やリフォームした家に入居して、早ければその日のうちに、遅くても 3 ヶ月以内に、なんらかの症状を自覚しています。よく、新築の家に入ると目がちかちかするということがありますが、たいていは一過性のもの。その症状がずっと続く場合が心配なのです。症状はどれかひとつの場合もあれば、いくつかが同時に起こる場合もあり、個人差があります。

家族の全員がなるわけでなく、たいていは家族の中で、一人か二人だけがそんな症状に悩まされるため、気のせいだと思い込んでしまったりして、家が原因だとなかなか気づかないケースが多いのです。

なぜ、アレルギーになるのか?

同じ家で生活していても、なる人とならない人がいるのには、その人の持っている遺伝的な体質や生活歴など、さまざまな要因があります。

アトピーや喘息、花粉症など、もともとアレルギー体質の人は、シックハウス症候群になりやすい傾向があり、 症状もより強くなることがあります。また、体内で化学物質を解毒してくれる酵素の活性が弱かったり、あるいは欠損しているために発症する人がいるというこ ともわかってきています。

ただし、シックハウス症候群と同じ症状があるからといって、やみくもに家が原因と決めつけないことも大切です。

症状が出たら

しつこい頭痛など、突出した症状がある場合には、まず、その専門医に行ってみましょう。きちんと検査をして、これ といった異常が認められない場合に初めて、シックハウス症候群を疑ってみてください。はやくから家が原因と決めつけてしまうことによって、重大な病気を見 落としてしまっては大変です。

シックハウス症候群は、室内に漂う化学物質が体内に入り込み、主に中枢神経や自律神経の機能障害を起こすこ とによって発症します。その症状は、更年期障害や自律神経失調症の患者が悩まされる、不定愁訴と同じため、似たような症状が出ます。もともと更年期障害や 自律神経機能障害をもつ人がシックハウス症候群になると、さらに症状が強調されてしまう、ということも起きています。

また、心配なのは子供が発症した場合です。なかなか自覚症状がなく、言葉で自発的に訴えることも少ないので、周囲の大人はなかなか気づかないものです。

子供の場合は、落ちつきがなくなったり集中力が低下して、多動や学習障害のような症状を見せることがあります。引越しや学校の改築などのあとで、これらの症状が出てきたら、要注意です。空気中の有害な化学物質が神経系に影響を及ぼしている可能性があるのです。

シックハウス症候群や化学物質過敏症ということばが、やっと一般的に認知されるようになってきましたが、まだまだこれらの症状の原因や診断・治療に明るい医師はごく少数なのが現状です。

本当は家が原因なのに、更年期障害やうつ病、心身症といった病名で片付けられている人も多いはずです。思い当たる症状がある人は、保健所の健康相談を利用するのも、ひとつの方法です。家の中の化学物質の濃度の測定をしてくれる機関を紹介してもらうこともできるはずです。

シックハウスはなぜ起こる

成人が一回の呼吸で吸う空気の量は0.5リットル程度。一分間に20回呼吸すると一日で約1万5000から2万リットルの空気を吸うことになる。その空気が汚れていたら、健康を損なうのは当然です。

人間が体内に取り込む物質の内訳を調べてみると、食べ物と飲み物をあわせても、たった15%。意外に思われるかもしれませんが、体内に取り込まれる物質の約8割が空気なのです。

食べ物の農薬や添加物を気にしたり、浄水器を取り付けたりする人が、増えています。それと同様、いや、それ以上に家の中の空気の汚れを意識する必要があります。

室内空気汚染の問題は、何も最近になって起こってことではありません。ただ、その質は大きく変わってきています。

かつては、石油ストーブなどの開放式の暖房器具や、ダニ、カビの問題中心でしが、住宅の高気密化と、さまざまな化学物質を使用した新建材の普及によって、室内の空気汚染は急激に進んで、それに呼応するように、シックハウス症候群の問題が浮上してきたのです。

ホルムアルデヒドの有害性

シックハウス症候群を引き起こす、室内の空気を汚染する化学物質とはどんなものなのか。一番に挙げられるのが、ホルムアルデヒドです。合板用接着剤や壁紙の接着剤などに広く使用されているもので、気体となって空中に漂います。ホルムアルデヒドにさらされると、頭痛、身の痛みや催涙、のどの痛みなどを生じる。濃度がさらに高い場合には、咳や胸の痛みを生じ、発がん性も認められている。厚生労働省によって定められたガイドラインでは、室内のホルムアルデヒドの濃度が0.08PPM以下なら安全とされているのです。

その他の有害物質も

昨年、国土交通省が行った全国調査によれば、4分の1以上の住宅において、ホルムアルデヒドの量がこの数値を上 回っていたのです。トルエンに関しても1割以上の住宅がガイドラインを超えていた。通常、化学物質の量は新築時が多く、時間が経つにつれて濃度が低くな る。しかし、このとき、調査した結果では、築後4,5年の、対策前の住宅の濃度が、いまだに高かったのです。

それはおそろしい!今、自分が住んでいる住宅は安全なのだろうか?と、心配になってくる。さらに、新築やリフォームだけが、化学汚染のきっかけではない。

住む人が自分で持ち込んだもの、生活おいて使用するものにも充分な注意が必要です。食器戸棚などの家具から も、高濃度のホルムアルデヒドが検出されることがあります。また、殺虫剤や防虫剤は、人体にとっても有害な化学物質であることを忘れてはなりません。特に 注意したいのが、床下に散布される防蟻剤。クロルピリホスという、極めて有害な化学物質が含まれているのです。

今までは野放しにされてきた室内の化学汚染の問題ですが、国もやっと本腰をいれてきています。

昨年8月に住宅の性能表示制度が改正され、任意ではあるが測定可能となっています。

やっといい方向に向いてきた、という期待感はありますが、まだまだです。住まい手自信が健康な住まいについての関心を持つことが、なにより重要です。そうすることによって、住宅供給者も確実に変わっていくのです。

室内の空気を汚している物質は、こんなにたくさんあります。

■接着剤や塗料からは揮発性有機化合物が・・・。
VOCとは、トルエン、キシレン、スチレン、ベンゼンといった、沸点が50度から250度までの揮発性有機化合物の総称です。普通の住宅の室内では、百種類以上の化学物質が検出されるため、その一つ一つの濃度を出すことは難しい。そこで、VOCの総量として測定しているのが実態だ。 VOC は接着剤、塗料、建材のほか、家具やカーテン、たばこの煙からも発生している。気体として肺に取り込まれ血液中に吸収されるほか、目、皮膚、粘膜からも吸収されるため、さまざまな症状をひきおこす原因となります。

■壁紙に含まれる可塑剤は、要注意物質のひとつ。
塩ビの壁紙は安価で施工や掃除が簡単なことから人気ですが、これに含まれるフタル酸エステルの可塑剤は、環境ホルモンの一種ではないかと心配されているのです。

■ダニ・カビなどのハウスダストも大きな問題。
室内の、花粉、ダニ・カビ、ホコリなど、化学物質以外のものもアレルギー症状の原因となります。掃除をしないでホコリだらけの家も、広い意味でのシックハウスといえるのです。

■居住者が化学物質を家の中に持ちこんでしまう。
家具や防虫剤、殺虫剤など、住む人が家に持ち込んだものが体調不良の原因となることもがあります。特に注意したいのは、食器戸棚などの家具に含まれるホルムアルデヒド。室内で飼っているペットのホコリはアレルゲンになるだけでなく、ノミ除去剤に含まれる有害物質にも注意しましょう。

■特に注意が必要なのが床下の白蟻駆除剤。
新築やリフォームの木工事の際に、さまざまな過程で使用される防腐、防虫処理剤からもさまざまな化学物質が検出されています。特に問題となっているのは、床下に塗布される白蟻駆除剤です。白蟻駆除剤に含まれるクロルピリホスなどの有機リン系農薬は、住宅内で検出される科学物質のなかでも特に有害性が高く、一度、土壌に散布すると5年程度も揮発し続けるといわれています。

シックハウス症候群から身を守る知恵

1. 汚れた空気は外へ出す、なるべく空気を汚さない、が鉄則です。

建材や家具から放散する化学物質やハウスダストなどで、室内の空気はつねに汚れています。最近の気密性の高い住宅では、冬でも2時間に1回は換気をする必 要があります。窓をあけて換気する場合は、部屋の2か所以上の窓をあけて空気の通り道を作ってやること。換気扇を利用するのも有効です。空気清浄機を使う ことは補助にはなりますが、これがあるから換気をしなくてもOKということにはなりません。幹線道路の近くにある家では、窓の開け方にも注意が必要です。

2. 体調不良の原因となる化学物質を減らすための建材選びを。

【合板とフローリング材】
住宅に広く使用される合板とフローリング材は、ホルムアルデヒドの発生源でもあります。加工や塗装に有害な化学物質が使用されていないか、よく調べて選択しましょう。

【壁紙】
ホルムアルデヒド、TVOC、可塑剤の低減に配慮しているという壁装日本協会の自主基準、ISMマークのあるもの、ドイツのRALマークのものが安心。また、オーガニックコットンなどの自然素材のものも増えています。

【畳】
畳には、防虫処理が施されているものが多い。ある畳からは、水田の数十倍の高濃度の農薬が検出されている。JIS規格の畳には防虫処理がされているが、表示が義務付けられていてチェックできる。最近では、炭や木材チップ、天然材料を使用した畳も増えています。

【接着剤、塗料など】
有機溶剤系接着剤にはトルエン、キシレンなどが含まれているものがあります。メーカーからMSDSという製品安全データシートを取り寄せて、どんな成分がはいっているか確認しましょう。天然素材を使用しているからといって安全であるとは限りません。

3. 新しい家具を買うなら、なるべく安全なものを。

引越しやリフォームをしたわけでもないのに、家にいると目の異常や頭痛、めまいなど、シックハウス症候群の症状にみまわれる時には、新しい家具が原因かもしれません。食器戸棚や本棚、キャビネットなどに合板が使用されていれば、接着剤、塗料などからホルムアルデヒドやキシレン、トルエンなどが高濃度で放散していることがあります。安全な家具を選びたいなら、無垢の木を使用して接着剤使用を最小限に抑えたものがよいでしょう。無塗装のものや植物オイルや蜜蝋のワックスなど自然素材で仕上げたものを選べば、さらに安心です。

家具以外では、難燃加工のカーテンにも要注意。防虫加工、抗菌加工など、本当にその加工が必要かどうかもよく考えてから購入しましょう。

4. 殺虫剤や防虫剤は、換気しながら最小限の量で。

スプレー式やスモーク式の室内で使用する殺虫剤、カビとり用の洗剤、園芸用の殺虫剤や除草剤など、生活の中で使用する薬剤の量は最小限にとどめたいものです。特に室内で使用する場合は、必ず換気することが必要です。気軽に使っている衣類の防虫剤にも要注意。衣類ケースなど、密閉容器の中に適量を入れて使用することが望ましいです。

最近の住宅に多いウォークインクローゼットで使用した場合、人が生活している部屋の空気まで汚染してしまうことになる。使うなら、こまめに換気をして最小限の量を使用する。防虫剤の量を減らすには、いくつかのコツがある。まず、虫に食われやすい絹や毛などの動物性繊維と、綿や化学繊維とを分けて収納すること。衣替えで収納する前に衣服の汚れをよく落とし、乾燥させること。クリーニングに出した衣類も、収納前に陰干しをするとよいでしょう。

5. 新築、リフォームをするときの注意点。

新築やリフォーム工事後すぐに住み始めることは避けてほしいですね。入居するまで、何度か通って、天気のいい日に窓を全部あけて建物の陰干しをしましょう。換気扇をつけっぱなしにしておくのも効果的です。

ホルムアルデヒドなどの化学物質の空気中濃度は新築時がいちばん高く、時間が経つにつれて徐々に下がってきます。入居する前に、なるべく濃度を下げておくことが必要です。そのためにも、入居までの日数は余裕をもって設定しましょう。

住んでいる家をリフォームする場合、経費はかさみますが健康のことを考えれば、工事中は別の場所に住むことが望ましい。それが無理な場合は、せめて工事区分をはっきりさせること。少なくとも、工事をしている部屋にはなるべく在室しないようにしましょう。

これから家を新築する場合、シックハウス症候群の予防のために大切なことはふたつ。空気汚染の原因物質を避 ける努力と、換気方法についての計画を立てることです。とにかく、業者や建築家と換気についてきちんと話し合うことが重要です。食材を考えるように建材も 考えるべきです。

6. 食生活や睡眠、規則正しい生活はシックハウス症候群を予防します。

シックハウス症候群の治療において居室内の有害化学物質の排除と並んで重要なのが日常生活の改善です。

特に大切な食生活では、神経機能の維持、代謝をよくするビタミンB群、体内の酸化物を除去する働きをもつビ タミンC、E、亜鉛やセレンなどのミネラル類などを意識して、より安全な食品を、まんべんなくバランスよく摂取しましょう。浄水器を設置するなど、飲み水 や調理に使う水にも気をつけたいですね。

また、家に閉じこもっていないで外出して適度に日光にあたることも大切です。疲労が残らない程度の軽い運動をしたり、入浴やサウナなどで発汗を促すのもよいでしょう。

これらはすべて、自律神経機能を刺激して活性化し、体内の有害物質を排出する働きを促す効果があるからです。